千尋です。
小さな子どもが家庭内の事故で指を失った──その後に残ったのは、機能ではなく「見た目」への悩みでした。
今回は、そんな現場での経験から、エピテーゼ(エピテ®)というもうひとつの選択肢についてお話しします。
もくじ
子どもの指切断事故と、心に残ったこと
あるご家族が救急搬送で病院に運ばれてきました。
2歳のお子さんが家庭内の事故で指を挟み、重度の外傷を負ったのです。
東京消防庁のデータでも、こうした乳幼児の指切断事故は毎年多く発生しており、その多くはドアや家具に指を挟んでしまうことが原因です。
すぐに手術が行われ、一度は指がつながったように見えました。
しかし、少しずつ壊死が進行し、最終的には切断せざるを得なくなりました。
「元気に育ってくれればそれでいい」と思いたいけれど
医師からは「強い子に育ててください」と声をかけられたそうです。
その言葉は励ましのつもりだったのだと思います。
でも、そのときすでに親御さんの心には、別の不安が芽生えていました。
「小さかったから、血管が細すぎて、つかなかったのかもしれない」
「この先この子の指はもう……」
「どうやって育てよう」
そうした思いが、頭をよぎったそうです。
日常に戻るほど、見た目の違いが浮き彫りになる
保育園で手遊びをする時、夏のプール、写真撮影── 子どもが成長するにつれて、「見た目」の違いにふれる場面が増えていきます。
日常生活に戻れば戻るほど、周囲の視線や他の子との違いが気になる。
親も本人も、あらためて“見た目の悩み”に直面するのです。
見た目にふれることを避け続けていいのか
私自身、医療の現場にいますが「まずは命と機能を守ること」と考えています。
とはいえ、医療には限界があるなと思っていました。
「命が助かった」「手術が成功した」その先にある生活の中で、 見た目の悩みが新たなストレスになることがある──ということに。
外見の変化が心に影を落とすことは、小さな子どもにとっても、大人にとっても同じです。
外見を気にすることは、決してわがままではない
「見た目のことを気にするなんて、贅沢じゃない?」 そう言われることもあります。 でも私はそうは思いません。
自分の見た目に安心できること── それは、心から前を向いて生きていくために欠かせないものです。
エピテーゼ(エピテ®)という、もうひとつの選択肢
手術や治療で命や機能を守ったあとに必要なのは、「見た目に向き合うこと」。
私は、外見の違いを補うケアとして「エピテーゼ(エピテ®)」という方法を知り、 ようやく“見た目にも手を差し伸べる方法がある”ことに気づきました。
それは飾りではなく、ふたたび日常を安心して過ごすための力になるものです。
子どもの事故や手術後の見た目に悩む方に、エピテーゼ(エピテ®)という選択肢が届いてほしい。
私はこれからも、その可能性を伝えていきたいと思っています。
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