事故や病気、生まれつきなどで身体の一部に変化があったとき、外見にまつわる悩みは、心の健康や社会生活にも影響を与えることがあります。
けれど、そうした“見た目の悩み”に対して、医療や美容だけでは十分な支援が届かない現実もあります。
そこで注目されているのが、「エピテーゼ」という外見ケアです。
もくじ
エピテーゼとは何か?

「エピテーゼ(Epithèse)」とは、事故や病気、生まれつきの理由などで身体に外見の変化が生じたときに使われる、体の表面に装着する人工物の総称です。
医療機関で作られる、義手・義足・義眼・ウィッグなどもその一種で、見た目を補うことを目的に使われます。
「エピテ®」とは?|医療と美容の間にある、もうひとつの外見ケア

私たち日本エピテーゼ協会では、こうしたエピテーゼの本来の意義に加え、“その人らしさ”を取り戻すための外見ケアとして再定義を行い、「エピテ®(商標登録済)」という名称で教育と支援を行っています。
エピテ®は、医療や美容の枠におさまらない、第三の外見ケアとして位置づけています。
- 医療のように“治療”ではなく、
- 美容のように“美しさだけ”を追求するのでもなく、
“見た目”と“心”の両方を回復させることを目的としたケアです。
たとえば、
- 指先にネイルを合わせる
- 耳にピアスをつける
- サンダルを履く足元を整える
といったように、日常のおしゃれやファッション性も取り入れながら、自然な見た目に近づける外見ケアとして発展してきました。
単に“美しさ”ではなく、その人がその人らしく過ごせることを大切にしています。
エピテーゼとエピテ®の違いは?
比較項目 | エピテーゼ | エピテ®(当協会の定義) |
---|---|---|
起源 | 医療用装具 | 医療・美容の枠外のケア |
対象 | 義指・義眼・補綴物 | 指・足・耳・乳房などの“外見と心” |
目的 | 外見の補完 | 外見+心理的サポート |
使用環境 | 医療現場中心 | 日常生活・社会復帰・QOL向上 |
“外見の回復”がもたらす心の変化
エピテ®は、ただ外見を再現するだけではありません。
- 「人目が気にならなくなった」
- 「気軽に買い物に行けるようになった」
- 「初めて自分のことを話せた」
こうした声があるように、見た目の回復が、その人の人生に大きな変化をもたらすことがあります。
ときに、家族との関係や就職・復職にも影響する“外見の悩み”。
それに対して、メスを使わずに寄り添える方法として、エピテーゼは新たな可能性をひらいています。
まとめ|“見た目”から心を支える、新しいケアのかたちへ
これまで「仕方ないこと」とされてきた外見の悩みに、エピテは新しい光をあてます。
見た目を補うことで、日常の中での“あきらめ”や“不安”を少しでも軽くし、
その人がその人らしく過ごせるように。
私たちは、エピテという外見ケアを通じて、心に寄り添う支援のあり方を広げていきます。